創傷治療や再生医療、がん診療でも近年大変注目されているエクソソームですが、最近では美容業界でも注目されています。
エクソソームが全身の抗加齢(アンチエイジング)になぜ注目されているか。
これまで、再生医療の中心となっていた幹細胞の移植療法でしたが、その幹細胞を移植せず、成分のみ注入するという方法が近年注目されています。それがエクソソームです。
当院で使用しているASCE+という製剤はヒト脂肪幹細胞培養液に入っているエクソソーム(細胞外小)という成分、成長因子、アミノ酸、コエンザイム、ビタミンやミネラル、ペプチドなどさまざまな活性成分が含まれています。エクソソームは一時的な改善を目的としているのではなく、肌トラブルの原因を根本から解消し、健康な肌状態を取り戻すための製剤です。
そもそもエクソソームとは、体内にある約200種類の細胞間の情報伝達を行うほとんどの細胞が分泌する小さな顆粒状の小胞(細胞内にある膜に包まれた袋状のもの)です。
エクソソームには皮膚の新陳代謝であるターンオーバーに関わる表皮細胞や、コラーゲン・エラスチンを生成する線維芽細胞などの細胞の間を移動し、皮膚細胞の再生や、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用などに関与する薬剤の成分を細胞に届ける手助けをする作用があります。
このエクソソームの発見は約30年ほど前ですが、発見当初は細胞内の老廃物を運ぶ袋としか認識されておらず、その機能や存在意義は長い間不明でした。
2008年にエクソソーム内にmRNAやマイクロRNAを含む核酸物質が内包されており、さらにこの核酸物質が他の細胞へ情報伝達している可能性が示唆されました。
そこから約10年エクソソームに関連する研究が一気に加速し、エクソソームが細胞間同士の情報伝達に大きく関与し、体内の様々な現象を制御していることがわかってきました。簡単にいうと細胞間の物質の運び屋です。
分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力を持つ「幹細胞」から分泌されるエクソソームは、再生医療における幹細胞パラクリン効果の主要なメディエーターとして、細胞増殖や創傷治癒の促進など、組織の機能を修復させる作用があるとされ、再生医療の分野でも幹細胞由来のエクソソームの活用が着目されています。
エクソソームの内部には少なくとも3種類の抗炎症サイトカインが存在することを確認されており、アトピー性皮膚炎などの炎症性疾患、皮膚再生、抗炎症、皮膚バリアの再建といった働きをし、肌の老化現象を改善し、若々しい肌の状態を取り戻します。
当院で使用しているASCE+は原材料から製造工程のすべてにおいて、動物組織抽出物を使用しておらず、動物由来の病原菌やウイルス感染、アレルギーの心配はありません。
再生医療用の細胞を培養・製造する施設で製造しており、エンドトキシン試験、無菌試験、ウイルス試験、マイコプラズマ試験済みです。